『算数の指導について』具体的アドバイスを紹介します。
(今回のお子様の様子の確認)
小学2年生、男の子。 ASD・学習局所障害との診断。
(相談内容) 足し算引き算ができない。
(相談者) 放課後デイサービス運営・管理者
足し算・引き算ができないからといって、
足し算・引き算を練習する前に、確認することがあります。
『かずの世界』をどの程度
知っているか、言えるか、読めるか、書けるのか?
まず、数を順にどのくらいまで言えるのかを調べます。
1〜100まで順に言えたとしても、途中から言わせると言えないこともあります。
お経のようにただ数字が言えるレベル(ひも数唱)から、
いくつからいくつまで言う指示のもときちんと言える。(取り出し数唱)
当然取り出し数唱の方がレベルが高く、幾つで止めなければならないという
メモリーも必要です。
また、数字が言えたとしても「読める」とは異なります。
読めたとしても『量』がわかっているわけではありません。
その他に気をつける点は、知っている量より使える量の方が圧倒的に少ない
と言うことです。
以下の手順で確認と指導をお願いしました。
1、ひも数唱の世界を広げる
1から10を基本に → 30 → 50 → 100 → ・・・1000
数表を指差しながらカウントする
11以上の場合は、十の位と一の位をそれぞれ指しながら言う
指さしをくらいごとに指すことで、無意識のうちの『位』を意識させます。
100以上になると一度に数唱することが難しくなるので、
131〜170、など区切って練習させます。
100以上が言えるようになると、次のステップも同時に行います。
2、取り出し数唱も行う
『8から30まで』や『23から58まで』のように区切って言わせる数唱を行います。
途中からすぐに始められない場合(23からとお願いしたのに、21,22とカウントしてから始める)
数表を活用した練習をもっと重なう必要があります。
取り出し数唱が上手になると、8+5 の問題のとき、1、2、3、4、5、6、7、8、と
足される数をカウントすることがなくなり、8の上に、9.10、11.12.13 と
足す数をカウントするだけで計算できるようになります。
3、数表を読む
指差しした数字を読んでもらいます。ゲーム感覚で素早く応えることがコツです。
また、数字を隠して、隠した数字を言ってもらう遊びも有効です。
4、数の分解練習
6以上の数を5といくつかに分ける遊びを行います。
次に、10を分ける遊びを行います。
ドッツや具体物を活用しながら遊びましょう。
10の分解がスラスラできるようにすることが理想ですが、
難しい場合は、5といくつかに分けれる課題はスラスラにしておきましょう。
5、視線訓練
算数は、説明文が横書き。 また、暗算も横書きですが、
筆算になると視線を『横にも縦にも動かす』ことが必要になります。
位ごとに線を引いて見やすくしたり、マーカーで位を縦に塗ってあげることも
必要な子どもがいます。
また、筆算の練習の際には『必要な位以外は指で隠す』援助が必要な子どもがいます。
子どもの発達の確認を十分に行い、人間の数の習得の順序を意識しながら
アプローチする必要があります。
2年生で必要な数の世界までの援助のポイントをお伝えしました。