落ち着きのない、多動のある子へのアプローチ法 6
6.「合図に合わせ動けるようにする運動」
落ち着きのない子や多動のある子どもに、人の指示に合わせて動くようにさせると
急に動きがぎこちなくなることが多いようです。
自分のペースで身体のおもむくままに動き回ることが多いからです。
自分のペースやリズムで動くのではなく、人の指示やリズムで動く練習を行い、
子どもの動き回る多動のマイペースを崩すことが大切です。
「スクワット運動」
「たって」「すわって」の合図に合わせて動き、脚力つける運動です。
合図に合わせる運動に、筋力をつける運動がプラスされます。
十分に筋力が発達していない子どもは、
椅子から「立ち・座る」の運動でも効果があります。
介助が必要な場合は、手をまず手前に引いてから上に上げるようにします。
この運動は、自由に動けるので「静止」がある程度できる子どもや
「指示」がある程度聞けるようになってからでないと、
じょうずに運動させることができず、逃げられてしまいます。
「上体反らし(オットセイ)運動)」
多動のある子どもは足の力はあっても、腕の力は弱いことが多いようです。
うつぶせに寝て、腕で上半身を押し上げ身体を反らします。
下半身は床についたままの状態で、力を入れないことが大切です。
「一定時間この姿勢を持続する」やり方と
「腕の曲げ伸ばしを繰り返す」方法とがあります。
「一定時間持続する方法」は、多動の子の筋緊張を改善するのに役立ちます。
「腕の曲げ伸ばしを繰り返す方法」は、腕の筋力をつけることができます。
30回程度を目安として運動してください。
腕が伸ばせないときや曲がるときには、肘を持ち支えてあげる援助をします。
また、指先を内側に向け「八の字型」につかせておくとよいでしょう。