視覚に問題を抱える子どもたち

現在 お手伝いをしている子どもたちは、3歳から28歳の子どもたちです。

相談の内容も獲得したい能力もその子によって様々です。

 

今回は 子どもたちに最も問題が多い 「視覚」についてお伝えします。

「視覚」については、子どもたちが抱えている症状について、改善法をお伝えします。

子どもたちから受けた相談は、以下のようなことがあります。

 

・本を読む時に、読む行が変わってしまう

・文字数が多くなったり、文字が小さくなるとミスが増える

・一枚に出題されている問題数が多くなると、ミスが増える

・黒板を写せない

・漢字を覚えにくい

・漢字の書きで、特定の部分が欠落する

・枠の中に答えが収まらずに、はみ出す               etc.

 

 

 

 

 

 

「読む際に行が変わってしまう」

読む際に行が変わってしまうは、行の頭に戻る際に最も起こりやすくなります。

また、文の途中で挿絵に視線送ってしまうと、元の行の戻りにくくなることもあります。

原因はいくつか考えられますが、今回は視線のみに焦点を当ててお伝えします。

 

一つ目は、視野が狭いこと。

本が大きくなったり、文字が小さくなると文字や言葉を一生懸命に見ることとなり、見ているエリアが小さくなります。

大きく視線を動かすときに視野が狭いために、行の頭に戻る際に間違えることがあります。

この視野が狭いと日常生活では、

「全体像を掴みにくい」「字のバランスが悪くなる」「身体をよくぶつける」 などが起こります。

 

二つ目は、視線上下左右などに動かしにくいこと。

このタイプは、他の文字や絵に視線が移ることで、行を読み間違えるタイプです。

「文を読んでいるのに、そんなことがあるのか?」と 言われることがあります。

視線を留めることが苦手といえば、理解しやすいかもしれません。

視覚刺激に敏感で、目移りすることによって起こります。

ADHD傾向を示す子どもの中には、視覚刺激に敏感な子がおり、色や形、光の反射などによって症状が出る傾向があります。

 

 

 

 

視覚視野を広げるために

目の運動があります。 最近の子どもたちはスマートホンや携帯ゲームで、視線を大きく動かすことが少なくなりました。

時間があるときに、顔を固定して目を大きく ゆっくり「上下、左右、斜め、8の字」を書くように動かしましょう。

速く動かさずに ていねいに見ながらすることが大切です。

 

また、迷路をして遊びましょう。

行き止まりに早く気づくようになれば、それだけ鉛筆の先から離れた場所を見ていると判断できます。

目だけで、迷路をすることも有効です。

線を描かない分難しくなりますが、分岐点を覚えておかなければならないので記憶力、注意力も育ちます。

「文字数が増えるとミスが増える」  「問題数が増えるとミスが増える」のは、

先ほどの問題とは逆に、視野を狭められないことから起こることがあります。

「一ページの文字が多いと読みたくない。」 「文字が小さいだけで嫌になる。」という人もいらっしゃいます。

 

実際にいた中学生の子供の例です。

A5やA4の問題集を解くときには、スラスラ解けるが、B4二つ折りの広い紙面になったと途端にミスが増えました。

力がついていないと判断し、何度も同じ課題を繰り返します。 広い紙面では思う結果が残せません。

そこで、問題をバラバラにしてもらい課題ごとに問題を解かせるとほぼ満点。90%ほど解けました。

 

また、ある小学2年生は横書きの足し算や引き算がスラスラできます。学校のテストもよくできています。

しかし、100問テストで計算問題の羅列になると、ミスがたくさん出ました。

理解していないのではなく、問題数が多く視線の動きが悪いことが問題でした。

 

横書きの足し算引き算はできるのに、縦書きの足し算・引き算になるとできない子もいます。

今まで算数では、横にしか視線を動かさなかったので、筆算の足し算のように縦書きになるとミスをする子もいます。

 

視線を自由に動かせること、視野を自分の意識で狭められたり広くしたりすることは、学習の上でも大切です。

 

最後に、「黒板をノートに写せない」「黒板を見て、教科書に戻ると戻るべき場所がわからなくなる」子もいます。

目の焦点を自由に合わせられないことから起こっている場合があります。

遠くを見たり、近くを見たりすることが減っているからでしょう。

景色を見て楽しむ、遠くにあるものを意識的に見てみることをお勧めします。

 

お子さまの困ったの援助をしています。

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