見過ごしてしまう「聴覚過敏傾向」の子ども
「うちの子どもはADHDと診断され、集中できないので先生の前に座っています」
ADHDと判断されたお子さまが来室された時、保護者様の第一声でした。
ブログで何度もお伝えしているように、発達凸凹には「過敏」が隠れています。
ADHDがどんな刺激に対して、行動としてあらわれるのかを診断しないで
「集中できないから」というだけで、先生が指導しやすい場所に子どもを座らせて
授業中に声をかければ集中力が増すはずだ、というアプローチが裏目に出る子がいます。
来室したお子さまの感覚過敏は「聴覚」!
ADHD傾向のお子さまの「衝動性」や「多動性」が意味もなく生まれることはほとんどありません。
誘発刺激があり、その刺激で「衝動性」や「多動性」が出現しています。
来室したお子様は「聴覚過敏」でした。
私たちには聞こえない遠くの救急車のサイレンが聞こえる。あたかも近くで鳴っているかのように。
遠くの席に座っている友だちの言葉が聞こえて、反応してしまう。
一度にたくさんの声が聞こえると、頭が痛くなったりイライラしてしまう。
「聴覚過敏」は、私たちが思っている以上に、子どもたちにとってはしんどいことです。
「カクテルパーティ現象(効果)」がうまく調節できないことや
音の遠近がつかみにくくて ADHDの症状が出る子どももいるということです。
こんな子どもを、先生の前に座らせるだけでなく、後ろからクラス全員の声が
シャワーのように降ってくると「集中しなさい」は効きめはありません。
発達凸凹がある子どもには、「過敏」が隠れていることが多いように思います。
症状の「誘発刺激は何か」、「どんな感覚過敏を持っているのか」を確認しないと
子どもにあったアプローチや提案は効果のないものになりかねません。
様々なお子さまの困ったの援助をしています。