「味覚・嗅覚・触覚過敏傾向」の子どもたちにとって

この社会は拷問に近いと感じることがある

前回、ADHDと診断されたお子様の「聴覚過敏」についてお伝えしました。

「聴覚過敏」って本当にあるの?  とご質問をいただきました。

 

あるんです。

「たくさんの音が聞こえて、話し手の言語音を絞れない」

「遠い音も聞こえて、反応してしまう」

これらは子どもたちとって「しんどい」ことです。

 

何を隠そう、私も聴覚過敏・視覚過敏・嗅覚過敏などがあります。

歳をとっていくらか慣れましたが、

「居酒屋に行くとうるさくて頭が痛くなる」

「コンサートに行けない」

「パートナーの鼻歌の声がしんどい」

「女性が多いところに行くとたくさんの香りがして気分が悪くなる」

「蛍光灯のチラチラが気になり目が疲れる」

などなど

 

 

学校にもたくさんの刺激があり、子どもが持っている過敏の部分を刺激して

ADHD傾向が出るなんてこともあります。

こんな場合、「ADHD」と診断されることがあるけど、

この診断名はいらないんじゃないかと思うこともしばしばあります。

 

また、「嗅覚過敏」で先生と合わないなんてこともあります。

でも、周囲の大人は我慢できない子って決めつけてしまいます。

 

「タバコの匂いで先生を嫌いになるパターンだってある」

ある子の苦手な人の共通項は、、、、 「タバコ臭」なんてこともあります。

そんなバカな?

いえいえ

嗅覚は、深い感情の部分と密接な関係があります。

子どもの反応に「匂い」が関係しているなんて誰も思いません。

 

触覚も同様です。

裸足になれない子や化学繊維がダメな子もいます。

ある衣類を着せるとじっと座っていられない。

ある衣類を着せると、すぐ脱いでしまう。

そんな場合、触覚過敏かもしれません。

 

ほとんどの子どもたちは徐々に慣れてきますが、慣れない子もいます。

アトピーが出ると、周囲の大人は衣服にも気を配ってくれますが、

皮膚に異常がなければ

子どもの衣服が問題の原因だと考えもしません。

 

本題からずれてしまいました。

もう一人の相談を受けた ADHD傾向の子どもの誘発刺激は

「触覚」

 

初めて出会った時、右手の人差し指と中指をいつも絡めていました。

絡めないと落ち着かないのかもしれません。

鉛筆を握っても、2文字くらい書くとすぐに鉛筆を離してしまいます。

 

担当の先生は「本当に集中力がない子で、1行も書けない子です」とおっしゃいました。

そのお子さんを観察後、

以下のことをアドバイスしました・

それは

「クッションを椅子につけ、体に当たるところは柔らかくする」

「足の裏全体ががきっちりつく高さの椅子に変える」

「鉛筆を握る部分ににフェルトを巻いて、柔らかくする」

の3点です。

これを実行すると

このお子さんはしっかり座って学習することができるようになりました。

 

しばらくすると慣れてきて、クッションもフェルトなしでも

落ち着いて学習できるように。

 

集中できないのは、子どもの「努力が足りない」「気力がない」「ハンディがある」

などの問題があるからだ。

というように、子どもが原因と決めつけるのなら、

先生は何の努力をするのでしょう?

 

「子どもが集中できないのは、私の指導も含め、集中できない要因が環境にあるに違いない」と考えることで

自分自身の対応や子どもを取り巻く環境の改善に取り組みます。

気がつくことを全てやり尽くしてから、次の手を考えましょう。

できないのは子どもが悪いからではありません。

子どもが悪いと考える周囲の大人が「子どもに原因を求める」からです。

 

自分にいつも戒めを。

と、いつも言い聞かせています。

 

「悪いのは子どもではない」

 

 

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