発達障害とは
生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と
その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、
社会生活に困難が発生する障害 のことです。
2012年文部科学省通常学級調査によれば、(推定値 95%信頼区間)
学習面で著しい困難を示す 6.5%
行動面で著しい困難を示す 3.6%
学習面と行動面ともに著しい困難を示す 1.6% という報告がされています。
重複があるとしても、約10%が何らかの困難を抱えているということになります。
発達の凸凹の上に、社会的困難を持った場合に発達障がいとなりますが、
社会的困難を起こす前に適切な援助をすると、大きな問題を持たずに成長し、
専門分野に能力を発揮し、能力を発揮します。
発達の凸凹は私たちのほとんどに当てはまります。
平均的にバランスよく全ての能力が伸びることはまれで、
好きなこと、興味があることに熱中します。
当然、たくさん練習したものは上手になり、
あまり練習したことがないものはうまくいかないことが多いものです。
![](https://gemstone-labo.com/wpcms/wp-content/uploads/会話母と娘の.jpg)
診断名が同じでも支援法は個人別!
発達障害へのアプローチとして、ABA分析などが行われています。
子どもたちの不適応行動を見ていると、
感覚器官の過敏と鈍さが同居してることに気がつきます。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)を抱えている子どもにも
「聴覚過敏」「視覚過敏」「味覚、嗅覚や触覚過敏」などの傾向が隠れており
この過敏によって注意散漫や多動性の症状を表している場合があります。
また「聴覚過敏」の子どもの中でも、「特定の物理音」「人の声」など反応する音に個人差があります。
全ての音に反応するのではなく、特定の音に敏感に反応するのです。
反面、子どもが反応する特定以外の音には、鈍さを持っていることも多いようです。
パトカーや救急車のサイレンには敏感だが、人の音声には鈍い。
高い声には敏感だが、低い声には無頓着、、、
出会った子どもたち、一括りでADHDと診断された子どもたち
それぞれ個人別の特徴があり、支援法も個人別です。
![](https://gemstone-labo.com/wpcms/wp-content/uploads/母と子.jpg)
「聴覚」「視覚」「触覚」「味覚・嗅覚」の感覚器官への刺激へのアプローチをご提案しています。
問題行動や困った行動は、ABA分析で丁寧に対応しながら、
子ども自身が持っている刺激に対する偏った行動を変化させよう、柔軟性を持たせようという発想です。
「視覚刺激」のトレーニングには
・視線訓練 左右や上下、遠近 ・視野訓練 細部に焦点を当てる 全体を広く見る
・見立て・予測 ・空間認知 ・イラストを使って文を組み立てる
・連想 言葉から頭にイメージを作る などを 行います。
また、「視覚刺激」に敏感な子どもに
提示した「イラストや写真」を体を使った「模倣」や「言葉で伝える」遊びなどで
他の感覚を使う「感覚供応(移動)」等も支援に一つと考えています。
「りんご」という言葉から「色・形」「匂い・味」「噛んだときの音や皮を剥く時の音」
のように連想を広げることで、一つの感覚器官にこだわっていた情報を他の感覚器官でも
受け取れるような遊び、アプローチを提案しています。
ある受験生の例です
高校受験を迎えたA君は、B5の大きさの問題集では80%ほど正解できます。
しかし、試験当日の大きさの過去問題を解くと全く手がつかず、20%くらいしか解答できない。
練習問題では解けるのに、受験練習で解く過去問は解けない、どうしたら、、との相談でした。
まず最初に、この受験生と練習したのは受験当日と同じ大きさの過去問題(テスト)を折る練習でした。
大問1 だけ見えるように問題紙を折り、かつ解答用紙も大問1 の答えを書く欄だけ見えるように折る。
同様に、大問2 だけ見えるように折り、解答用紙も大問2 だけ見えるようにする。
このように解かせると7割は正解できました。
視覚情報が多すぎると、混乱する子どもがいるということです。
その後は、全体を見て、問題を解く順序(優先順位)を決める練習。
大問1と大問2の問題が見えるようにして解答する練習。
このレベルになると、ほぼ受験時と同じ大きさの問題用紙でも
自分の力だけで工夫して乗り越えられます。
子どもが自分自身の特性を知り、自分自身でその特性を乗り越える工夫ができる
そんな援助をしています。