落ち着きのない、多動のある子へのアプローチ法

1.感覚を調整する運動

落ち着きのない子や多動の子どもたちの中には、

それほどうるさいと感じない所で耳を塞いで動けなくなったり、

ちょっと触っただけでくすぐったがり逃げまわることがあります。

また、明るすぎる場所や蛍光灯のチラツキで顔をしかめることもあります。

 

そうかと思えば、

血がたくさん出る大怪我をしても平気で走り回ったり、

熱いお風呂にも平気で入ったりするなど、

触覚、聴覚や視覚の感覚がおかしいと思う行動をする子どもたちがいます。

 

感覚が敏感すぎると、ちょっとしたことで反応することは想像つきますが、

鈍すぎる場合でも、その感覚を求めてさらに「自分で自分に」刺激を与えようとし、

結果として強い刺激を求め動き続けるということになってしまいます。

 

「刺激が強すぎると、かえって過敏にしてしまう」ことがありますが、

弱い刺激よりも、少し強めの刺激の方が嫌がらずに刺激を受け入れてくれます。

 

過敏の子どもには感覚を鈍くし、鈍感な子どもには感覚を鋭くする必要があります。

 

 

「乾布まさつと寒暖浴」

 

 

過敏の子どもでも鈍感な子どもでも「触覚系」に問題を感じる子どもに効果的です。

タオルなどで全身をくまなくこすっていきます。

目安は、肌がピンク色になるくらいまで続けましょう。

こする順番は、身体の末端から中心部へこするのが一般的です。

徐々に子ども本人に任せ、自分一人でできるようにしていきましょう。

乾布まさつを自分自身で行えるようになると、

「触覚の感覚を整える」だけでなく、

「自分自身のボディイメージをつくる」きっかけとなります。

 

 

身体の名称を言いながらこすっていると名称を覚えるだけでなく

自分自身の大きさや身体の動きなどもつかめるようになります。

 

「寒暖浴」

 

温かいお湯と冷たい水に交互に入り、温度差により皮膚の感覚を整えます。

はじめは、腕や足(膝から下)から部分的に行います。

気候の良い頃から始めましょう。

お風呂でなくても、食器洗いなどのお片づけを手伝ってもらう時でも良いでしょう。

 

その他「前庭覚(揺れや回転・スピードの感覚. 身体の向き)」などをつかむ感覚を

育てる運動もあります。

次回に、お伝えします。

 

1.感覚を調整する運動の一部を紹介しました。

 

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