事例「視覚過敏」

~すぐ寝てしまう小2の女の子〜

 

 

 

25年ほど前の話です。

「学習中にすぐに寝てしまう子がいる。

何度注意しても寝てしまう」

 

「子どもに何時に寝たのか、しっかり寝ているのか」

などを聞いたが、寝ているらしい。とにかく疲れるという。

という塾の先生からの相談でした。

 

子どもの学習している様子を観察しに行きましたが、

お邪魔した日は寝ることもなく、学習を終了してしまいました。

 

 

子どもが帰る前に

「どんな時が疲れる?」

「どんなことが楽になったら良い?」 と聞きました。

 

たくさん話してくれましたが、その中で気になったのは

 

教室の電気がチラチラして気になる

 

光がピカピカするのは疲れる

 

などでした。

 

「テレビを使った授業などが疲れる」

「教室でカーテンが揺れ、差し込む光がチラチラすると注意力散漫になる」

「学校の電灯のチラつきがきになる」

「色の濃い絵などは刺激が強すぎて疲れる」

 

これらの症状は「視覚過敏」の特徴の一つ
光に敏感な例」です。

 

 

 

このような視覚過敏の子どもたちは、

「集中力」が無いと判断されることもあります。

 

特に動きのあるものに敏感な場合です。

視野に入る動きのあるもの反応してしまい、動きのあるものを目で追ってしまいます。

 

授業中でも

「カーテンの揺らめき」

「窓から差し込む光の揺らめき」

「人の動き」

などに敏感になり、ついそのものを見てしまいます。

網膜に映るもの全てに反応してしまうような感じです。
学校では、キョロキョロして落ち着きのない、
集中力のない子として判断されることがあります。

 

相談を受けた小2の女の子の指導は、

「窓際でない席」

「光量を落とした席」

「できれば、壁向きで視界を狭くする場所の準備」

をお願いしました。

 

ご家庭へも同じようにお伝えしました。

現在でしたら、

蛍光灯をLEDに変えてくださいとお願いしたかもしれません。

 

 

視覚過敏には、
「光量」  「動き」  「視野」  の3つの敏感
  があります。

 

どんな過敏を持っているのかを観察して対応する必要があります。

「集中力がない子」には「過敏」が隠れているかもしれません。

 

「集中力がない」と判断する前に、原因を探ってみましょう。

その子どもの「性格」「性質」に原因を求めないようしましょう。

 

この小学2年生の女の子には、

 

学校では 「座る席を窓際意外に」
家庭では 「学習場所は少し光量を落とす」
     「テレビやスマホなどを見る時間を減らす」
     「紫外線やブルーライト等を軽減するメガネをかける」

 

などをお願いしました。

 

学校や塾の教室でも寝ることがなくなったそうです。

 

子どもは、「視覚過敏があって、疲れていた」のでしょう。

 

子どもからは、

 

「教科書の字が見やすくなった」

 

「プリントの文字が滲まなくなった」

 

 などのことを教えてくれるようになりました。

 

教科書を長時間読めるようになり、ラクだと言っていました。

 

まだ、発達障害などの言葉が広まっていないこの時期は、

「子どもの怠慢」 「生活習慣の乱れ。家庭の問題」などと言われていました。

 

原因をしっかり確認し、子どもが楽になる手伝いをしたいものです。

 

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